中国海軍の空母「遼寧」。戦闘機やヘリコプターが艦載されている=防衛省提供

 防衛省は8日、中国海軍の空母「遼寧」など艦艇4隻が7日に東京・小笠原諸島の南鳥島沖を航行し、日本の排他的経済水域(EEZ)に一時入ったと発表した。同海域への中国空母の進出が確認されたのは初めて。防衛省は、中国海軍が活動を拡大・活発化させているとして警戒を強めている。

 EEZに入ったのは、空母「遼寧」とミサイル駆逐艦2隻、高速戦闘支援艦1隻。防衛省によると、7日午後6時ごろ、南鳥島の南西約300キロのEEZ内を航行しているのを確認した。8日にはさらに南西の海域に進み、空母に艦載されている戦闘機やヘリコプターの発着艦を行った。海上自衛隊の護衛艦が警戒監視にあたったという。

 中国は、小笠原諸島から米軍の拠点があるグアムまでを「第2列島線」とし、有事の際の防衛ラインと位置づけている。空母「遼寧」は、5月下旬に日本の尖閣諸島から北約200キロの東シナ海で、艦載機の発着艦を初めて行った。防衛省は、中国が空母の運用能力や遠方での作戦遂行能力の向上を図っているとみて、分析を続けている。

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