香港付近の海域を航行する中国の空母「山東」=2025年7月3日、香港市民提供

 中国初の国産空母「山東」が3日、香港訪問を始めた。7日まで寄港し、香港市民に内部を公開する。反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法が6月30日で施行5年を迎えたことや、7月1日の中国への返還記念日にあわせた訪問とみられ、中国側には香港市民の「愛国心」を高める狙いがあるとみられる。

 香港の公共放送「RTHK」は3日、空母を眺めようと集まった人々の様子とともに、「(空母は)国家の強大さを示すものだ」と語る市民の声を紹介した。甲板上では中国軍の兵士ら約700人が、国家の安全が人々の安定した生活の基礎であることを示す「国安家好」という人文字をつくったという。

 中国空母が香港を訪れるのは香港返還20周年にあたる2017年7月の「遼寧」以来、8年ぶり。中国にとって抗日戦争(日中戦争)勝利80周年の今年、改めて空母を派遣した可能性がある。

 山東には、ミサイル駆逐艦など3隻も同行。中国軍駐香港部隊が、香港市民を対象にSNSで受け付けた計1万人分の見学チケットは、すぐに予約が埋まった。

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