サッカー、水泳、ピアノ、英会話……。子どもの習い事を、中学受験の前にやめるかどうか。そんな選択に迫られる家庭は少なくありません。どう折り合いをつければいいのか。元小学校教員で教育評論家の親野智可等(おやのちから)さんに聞きました。

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 ――中学受験が近づくと、それまで取り組んでいた習い事を全てやめるケースも多いようです。

 中学受験をする子の多くが塾に通います。一部の集団塾では、受験本番が近づくにつれて宿題の量が膨大になり、毎週日曜日に特別講習があるなど授業も格段に増えます。受験準備以外の活動をする余裕がなくなることが多いのです。

 同時に、受験が近づくと保護者の視野はだんだん狭くなりがちです。合否結果への不安が増し、ますます長時間の学習をさせようとする。かけた教育費の総額が膨大になり、撤退の決断が難しくなる。こうなると、習い事を続けるという選択肢が消えてしまうことがあります。

 ――習い事を続けるかどうかを判断するに当たって考えるべきことは。

 まず、利点と課題を整理することが必要でしょう。習い事を続けるメリットとしては、ストレス解消になるとか、集中力や体力、リーダーシップといった様々な力が養われることなどが考えられます。デメリットは、勉強時間が確保しにくいこと、体力を消耗して勉強に身が入らなくなるかもしれないこと、両立しようとして無理が生じ、睡眠不足などに陥るリスクがあることなどがあります。

 「やめる」、「続ける」の単純な二者択一で考えないことも重要でしょう。

減らす、絞る、免除…様々な選択肢

 ――どういうことでしょうか…

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