中谷元・防衛相が25、26両日、昨秋の就任後初めて北海道を視察した。北海道では、広い土地の存在や過疎化の進行を背景に、近年大規模な訓練の実施が増え、「自衛隊の道場」(防衛省幹部)化が進む。ロシアのウクライナ侵略を機に「北の防衛」の重要性も改めて認識されている。
「北海道の良好な訓練環境のなかで精強性の維持・向上に努めるとともに、地域社会の理解・支援を得て活動していることを確認した」。道東を視察した中谷氏は26日、記者団にこう話した。
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今回視察したのは、陸上自衛隊の美幌、別海、釧路の駐屯地と標津分屯地、空自の網走、根室の分屯基地。いずれも過疎化が進む地域だ。
北海道では、広大な土地を生かした訓練が盛んで、自衛隊の一部では「道場」とも呼ばれている。24日には地上から艦艇を攻撃できる射程百数十キロの「88式地対艦ミサイル」の発射訓練が国内で初めて行われた。これまでは日本国内での実施には地元の反発が懸念され、米国内で行われてきた訓練だ。道内では、過疎地域の人口を維持するうえで自衛隊を不可欠と考える自治体もあり、防衛省幹部は「正直言って北海道は頼みやすい」と明かす。今後はさらに長射程のミサイル訓練も検討されている。
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