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2023年7月に閉館した「中野サンプラザ」=2024年9月25日午前8時47分、東京都中野区、木佐貫将司撮影

 事業費の高騰で再開発が白紙になった東京都中野区の「中野サンプラザ」について、再利用した場合の修繕費用が1.7倍の約170億円に膨れあがると区が試算していたことがわかった。区はこれまで、使い続ける場合、コスト負担も問題の一つになるとしていて、引き続き、建て替えに理解を求める考えだ。

 複数の区関係者が明かした。これまで区は、再利用した場合の修繕費用は100億円以上かかるとしてきた。だが、物価高の影響で同じ算出方法を用いても、8月現在の段階で約170億円に膨れあがるという。

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 区は管理コストを削減するため、第三セクターから寄付を受ける形でサンプラザの土地と建物を9月5日付で取得。南側広場は10月からダンサーやミュージシャンに開放する予定だ。広場に面する1階エントランスホールの一部の暫定活用や、施設の壁にはアニメ事業者による広告掲載も検討している。

 当初の計画では、サンプラザの跡地に地上61階、高さ約250メートルの複合施設「NAKANOサンプラザシティ(仮称)」を建設する予定だった。高層棟にオフィスや住宅、展望施設、隣接する低層棟にはホールやホテルが入るとしていた。

 だが、野村不動産など事業者側が2024年9月、人件費の高騰や物価高を理由に工事費が「900億円超増える」と区に連絡。区は同年度の着工を断念し、29年度内の完成予定も延期した。その後、事業者側はコストを抑えるため、住宅割合を増やして高層ビルを2棟にする「ツインタワー」案を区に提示した。だが、区は今年3月、「区民の交流施設が後退した」などとして案を拒否すると表明。6月末には野村不ら事業者と結んだ事業推進の協定を解除し、計画は「白紙」に戻っていた。

 区は、区民や関係団体の意見などを参考に、再開発計画の根本にあたる「再整備事業計画」を見直す。そのうえで、26年3月にも新しい計画案を示す方針だ。

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