中高生世代の居場所はなぜ大切なのか、児童館に期待できることとは――。こども家庭庁の審議会委員を務める青山鉄兵・文教大学准教授(青少年教育)に聞いた。
- 目的なくても、寝ていてもOK 中高生が「第二の家」と呼ぶ公共施設
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子どもの居場所という言葉は多義的です。
はじめは1980年代ごろ、不登校支援の文脈で使われ始めました。当初は学校に行けない子たちが日中過ごす場所、という意味合いでした。
しかし90年代になると、「居場所=心のよりどころ」という意味合いが強くなっていきます。
草の根の取り組みから政策へ
80年代の激しい少年非行の反動で管理教育が徹底され、さらに部活動や塾もハードになり、子どもが家庭や学校の管理下にある時間が非常に長くなりました。家庭や学校でうまくいかなくなると誰もが行き詰まってしまうのでは、という意識が出てきました。
その頃から2000年代にか…