東京都内から来た、フジロックフェスティバルの「常連」の3人。フジロックは「年中行事」であり、自分の健康状態をはかるバロメーターだという。浅井由美さん(67)=中央=は両手の爪にフジロックをテーマにしたネイルアートを施していた。2025年7月26日、丸山ひかり撮影

 国内最大級の夏の野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」(7月25~27日、新潟県湯沢町)は今年、26日の1日券と3日通し券が、それぞれ6年ぶりに完売した。確かに、会場にいると昨年よりも人出が増えているように感じる。なぜなのか。26日、カンカン照りの会場で聞いてみた。「今年はなにをお目当てにフジロックに来ましたか?」

 最大のステージ「グリーンステージ」では午前11時から、世界で人気急上昇中のアルゼンチン出身のデュオで、「カトパコ」という愛称で知られるカトリエル&パコ・アモロソが会場を沸かせた。

 終了後、ステージ前にそのまま残っていた男女に話しかけてみた。東京都の志村順子さん(60)と志村明久さん(60)。2人は、この日午後7時からこのステージに出演する山下達郎さんを見るために、初めてフジロックに来たという。

 山下さんは今回がフジロック初出演。単独コンサートは大人気でチケットが取りにくいことで知られる。明久さんは高校生の頃から大好きだという。

 一番のお目当ては山下さんだが、他のミュージシャンの音楽を聴けることも楽しみにして来た。順子さんは「普段は自分の好きな人の音楽ばかり聴いてしまいがちですが、こういうフェスでは普段聴かない音楽に触れられる。大切な機会です」。

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 初めて来た人はほかにも。

「マジックみたいな場所」「実は来やすい」「分断深まってるからこそ」

 昼すぎ、横浜市から来た75歳の女性が日陰で休憩していた。5、6年前からフジロックに関心はあったが、今回、山下さんを見られることが大きな後押しになって足を運ぶことを決意したという。「お酒を飲んだり立ったりして、自由に音楽を楽しむフェスを日本でやったフジロックはすごい。日本中から人が来て。マジックみたい」

 来年は今のように歩けるかど…

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