東京都世田谷区で韓国籍の女性（40）を殺害したとして、交際相手の男（30）が逮捕された事件から1週間。男は事件発生の約10日前に韓国から短期滞在で来日していた。暴力を受けたとして、女性から相談を受けた警視庁は男に帰国を促すなどの対応を取っていたが、事件を防ぐことはできなかった。
国際犯罪対策課などによると、パク・ヨンジュン容疑者は1日午後1時半ごろ、バン・ジウォンさんの首を刃物で切りつけて殺害した疑いがある。黙秘しているという。2人は昨年10月に知り合い、今年4月から交際。パク容疑者はこれまで2度来日し、バンさんと会っていた。
3度目の来日となった今回は8月23日からバンさんが住む東京都港区のマンションで過ごしていた。この間にトラブルになったとみられ、バンさんは29日未明に「別れ話をしたら暴力を振るわれた」と交番に相談した。
女性は事件化を希望せず
捜査関係者によると、この時、バンさんは「土下座をするまで謝られたから許している」などと事件化を望まなかったという。警視庁はバンさんを知人宅へ避難させ、パク容疑者には今後近づかないよう指導。「大阪へ行く」と言ったパク容疑者を午前中に東京駅まで送り届けた。
だが、パク容疑者は大阪へ向かっていなかったとみられる。
29日夕、マンション付近をうろつく姿を警備員が目撃していた。翌30日早朝には、オートロックを他の住人が解錠した後に続く「共連れ」でマンションへ侵入し、バンさんの部屋近くまで訪れていた。前日から不審に思っていた警備員が110番通報した。
■立件検討も、本人は「帰る」…
