五感を駆使した独自のプログラムで絵やオブジェを創作するアートセラピーの一種、「臨床美術」に取り組む三重県紀北町の高齢者福祉施設で、「異色の画家」が講師を務めている。62歳で美術大学に入学し、修士号まで取った画家は、長く衆院議員の秘書を務めていた。
津市出身の小柴博正さん(71)は、同町で「特別養護老人ホームみやま園」と「ケアハウスシーサイドみやま」を運営する社会福祉法人「菊寿会」の理事長を務める。
両施設には合わせて約110人の入所者がいるが、小柴さんは10年ほど前から毎月1回、入所者に臨床美術にのっとった絵やオブジェの創作を教えている。
7月30日、小柴さんは特養に入所する88歳から91歳の女性7人と向き合った。描く題材はナス。7人は色紙の上にオイルパステルで思い思いの色を使ってナスを描き、割り箸で表面の傷を再現した後、ベビーパウダーで表面をコーティングしていった。
開始からわずか40分で作品完成
創作開始から作品の完成まで…