1歳6カ月の男児に暴行を加えて死なせたとして、母親の交際相手の男(26)が10月に傷害致死容疑で逮捕された事件で、大阪府警は13日、この男児の生前、熱湯を浴びせてやけどを負わせたとして、男を傷害容疑で再逮捕した。「事実は認めない」と容疑を否認しているという。
捜査1課によると、男は大阪市旭区新森5丁目の無職、長谷川廉斗容疑者。男児は西村結翔(ゆいと)ちゃんで、10月7日に腹部の内出血で死亡した。
再逮捕容疑は8月23日午前4時ごろ、結翔ちゃんと母親が住む府内の集合住宅の一室で、結翔ちゃんに熱湯を浴びせ、頭や背中に12日間の入院治療を要するやけどを負わせたというもの。
長谷川容疑者は前回の逮捕前の任意の調べに「台所でミルクをつくる際、目を離した隙に、子どもが200ccぐらいのお湯をこぼしてかぶった」と説明していた。
だが、府警が複数の医師に意見を求めると、この説明通りに結翔ちゃんが熱湯をかぶったとしても、体に残っていたようなやけどの痕にはならないとの見解が得られたという。
母親は当時別室にいた可能性が高いことも踏まえ、府警は結翔ちゃんに熱湯を浴びせることができるのは長谷川容疑者以外にいないと判断したという。
結翔ちゃんはその後、発熱し、長谷川容疑者と母親が同日午後5時ごろに病院に連れて行き、やけどが発覚。病院から通告を受けた児童相談所の聞き取りに対し、母親はやけどの原因について「踏み台に載せていた哺乳瓶を子どもが倒した」と説明をしたという。児相は家庭訪問を実施し、9月には長谷川容疑者にも電話で連絡を取っていたという。
10月7日、結翔ちゃんが布団でぐったりしているのに母親が気付き、搬送先の病院で死亡が確認された。長谷川容疑者は傷害致死容疑について「(結翔ちゃんが)ラーメンをこぼしたので腹部を押しのけたが、それが(死亡の)原因とは思えない」と供述しているという。(田添聖史)