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 NHK大河ドラマ「光る君へ」で注目される日本最古の長編小説「源氏物語」(紫式部)や初のエッセー「枕草子」(清少納言)……。平安時代から現代まで千年以上ものロングセラーは、どのように読み継がれたのだろうか。日本で商業出版がはじまったのは京都。現存する最古の出版社の一つを訪ねた。

現存する最古の出版社の一つ、「法蔵館」の蔵を案内する西村明高社長=京都市下京区正面通烏丸東入、楠本涼撮影

 今から約400年前に創業したという仏書の出版社「丁子屋」。その流れをくむ「法蔵館」は、京都市下京区の東本願寺近くにあった。書店を併設する出版社屋の南側には江戸時代の1850年ごろから残る大小三つの蔵がある。真ん中の「板木蔵(はんぎぐら)」の木戸を開けると、中は薄暗かった。天井から下がる裸電球をつけると、棚にぎっしり詰まった真っ黒な板木、約1万枚が暗闇から浮かび上がった。

ベストセラーとなった板木とは?

400年以上の歴史がある法蔵館に残る板木のベストセラー本は、今も昔も変わらぬテーマでした。

 職人の手で文字や絵が彫られ…

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