国土交通省が18日に発表した公示地価(1月1日時点)は、京都府内の全用途の平均変動率は前年比プラス3・7%で4年連続の上昇だった。上昇幅も前年のプラス2・6%から拡大した。商業地の上昇率では、ホテルの開業が相次ぐJR京都駅南側の地点が上位に並んだ。
府内の調査実施地点は622地点。上昇率は商業地が7・9%(前年5・1%)、住宅地が2・0%(同1・6%)、工業地が7・4%(同5・9%)だった。
商業地の上昇率トップは、京都駅南側の南区東九条上殿田町52番。上昇率は21・9%(前年15・5%)だった。「大阪圏」でも大阪市の道頓堀に次いで2位となった。
商業地の上昇率の府内上位5地点のうち3カ所が南区東九条だった。駅南側の地価は駅北側と比べて安めだったが、最近はインバウンド(訪日外国人客)の増加を受けて外資系ホテルの建設や開業が相次いでいる。
調査に携わった不動産鑑定士の村山健一さんは「京都駅前には宿泊施設の適地がなくなってきている。駅に近い土地の獲得は難しく、割安感のある駅南側にも地価の上昇が広がっている」と話す。駅周辺では北側の京都中央郵便局の建て替えなど大規模な再開発も控えており、地価はさらに上がりそうだという。
商業地の価格では、駅北側の下京区烏丸通七条下る東塩小路町734番外が府内2位の1平方メートルあたり770万円だった。最高価格は同区四条通寺町東入2丁目御旅町51番外。1平方メートルあたり1050万円と、1994年以来31年ぶりに1千万円の大台を超えた。
住宅地の上昇率トップは東山区高台寺南門通下河原東入桝屋町353番5で、大阪圏でも1位。清水寺に近く、首都圏などからのセカンドハウス需要もあって大幅に上昇したという。
京都市外の住宅地は、府南部の自治体を中心に上昇した。平均変動率は宇治市がプラス3・2%と最も高く、城陽市が同2・7%、長岡京市が同2・6%と続いた。一方、府北部の市は亀岡市と福知山市を除いてマイナスとなった。