「菊の節句」とも呼ばれる重陽(ちょうよう)の節句の9日、高台寺塔頭(たっちゅう)の岡林(こうりん)院(京都市東山区)で、京都にゆかりのあるキクタニギクが植えられた。稀少(きしょう)な植物に光をあてようと頑張る任意団体が、活動の一環として企画した。
東山にはかつて菊の名所(菊渓)が知られていたという。キクタニギクの名前の由来になっているとされる。岡林院は将軍塚付近から流れ出た菊谷川の流域に位置する。今回の植樹は、キクタニギクの保全や栽培などに努める「都の福菊」(越後幸恵代表)が重陽の節句に合わせ、「蘇(よみがえ)る菊渓菊」と題して実施した。
キクタニギクの復興に向けて団体と協力関係にあり、育成に取り組む桂高校の生徒らも参加して、参道の脇に植樹した。
越後さんは、「京都から菊の文化を発信したい」。岡林院は普段は非公開のお寺。青山公胤(こういん)住職によると、将来的には開花時期に合わせて限定公開も検討したいという。