日本三大祭りの一つ、京都・祇園祭の長刀鉾(なぎなたほこ)が今年、誕生800年を迎える。記念事業の一環として、2022年に196年ぶりに山鉾巡行に本格復帰した鷹山(たかやま)の背面を飾る「見送(みおくり)」を新調した。18日、京都市内で贈呈式があった。
長刀鉾は、7月17日にある前祭(さきまつり)の山鉾巡行で先頭を進む。長刀鉾保存会によると、1225年に祇園社(今の八坂神社)に寄進された長刀を鉾に掲げて誕生した。鷹山は、7月24日にある後祭(あとまつり)の山鉾巡行に参加する。
新調された見送は「鳳凰(ほうおう)円紋額百子嬉遊(きゆう)図 綴織(つづれおり)」(縦約3・5メートル、横約1・8メートル)。大津市の大津祭の曳(ひき)山の一つ、西王母山(せいおうぼざん)の見送をもとに事前調査などを含め約2年半かけてつくった。多くの男児が遊ぶ姿が表現されている。祇園祭は平安時代に疫病退散を願って始まったとされ、疫病に負けずに成長するように祈りが込められているという。
長刀鉾保存会の井上俊郎代表理事は「祇園祭がますます発展するよう願いも込めました」。鷹山保存会の山田純司理事長は「長い歴史を刻んだ長刀鉾さんからの寄贈を誇りに思い、末代まで語り継ぎたい」と話した。