苔寺(こけでら)として知られる京都の世界遺産・西芳寺(さいほうじ)(京都市西京区)で、近くの川から境内の池へ水を引き入れていた水路が復元された。室町時代の足利義満や義政が通い、金閣寺や銀閣寺の庭園のモデルにもなったという池泉(ちせん)回遊式庭園の姿がよみがえる。3月1日から参拝が再開される。
西芳寺は奈良時代の731年に行基が開き、作庭の名手でもあった夢窓疎石(むそうそせき)が1339年に再興した。寺側によると、当時の文献では、近くを流れる西芳寺川から庭に水を引き入れ、小さな滝の流れや黄金池(おうごんち)を作り、その美しさは朝鮮半島にまで知られていたと伝わる。
しかし、応仁の乱(1467年に勃発)で境内のほぼ全域が焼失。たび重なる川の氾濫(はんらん)や山崩れで、白砂青松の庭は荒れ果てた。次第にコケで覆われるようになり、今では美しい苔庭で世界的に有名だ。
2021年度から市文化財保…