京都市交通局は、オーバーツーリズム対策として運行を始めた「観光特急バス」の効果の検証結果をまとめた。昨年6~11月は1日平均約2300人が利用し、一定の効果があったとしている。
市は昨年6月から、京都駅と清水寺や祇園などの人気観光地を結ぶ特急バスを土日祝日に通年運行している。京都駅前と清水寺近くの五条坂を結ぶ便(1日16便)と、京都駅前と五条坂、祇園、銀閣寺などを結ぶ便(1日32便)の2系統で、運賃は通常の倍の大人500円、子ども250円。国内外から観光客が押し寄せ、市民がバスに乗れない事態も発生する中、観光客と市民のすみ分けを図ろうと運行が始まった。
市によると、昨年6~11月は1日平均2361人が利用。「利用は堅調に推移している」として、並行する系統の混雑緩和に役立ったとみている。利用者の3分の2が、割安となる「地下鉄・バス1日券」を使わず500円を支払って乗車しており、運賃についても「受け入れられている」とした。
ただ、清水寺付近の清水道停留所では繁忙期の10月に50人以上が列を作るなど、混雑が解消されていない場所も残る。京都駅から観光地に向かう「ゆき」の方向に比べ「かえり」の方向の利用が4分の1にとどまるなど、利用の偏りも課題だ。
市は今後について、実態に応じてダイヤを見直したり、利用拡大に向けて広報を強化したりする方針という。平日の運行については「検討したいが、深刻な運転手不足で、当面は現在の運行の維持に努める」としている。