未来映画社の工房でインタビューに応じる映画監督・安田淳一=2025年5月24日、京都府城陽市、田井良洋撮影

現場へ! 輝ける未来映画社(5)

 京都を拠点に活動する映画監督・安田淳一(58)。自主レーベル・未来映画社の工房は、米農家である実家の倉庫を改築した小部屋にある。

 ここで安田は独り黙々と、映像編集に打ち込む。自主制作で商業映画に挑むべく2014年にレーベルを立ち上げ、3作目の今作「侍タイムスリッパー」で「ホップ、ステップ、宇宙」の飛躍を遂げる。

 「スター・ウォーズ」に熱狂した映画少年。大阪経済大の在学中からビデオ撮影業にのめり込む。結婚式や卒園式の記念撮影から地元企業のPR映像まで手がけ、「お客さんに喜んでもらうことを何より心がけてきました」。

「安田さんは、地平を広げた」

 その経験と姿勢が大衆の心をつかむ娯楽活劇を生み、京都ならではの「おもてなし映画」として結実した――。京都府が運営する京都文化博物館の学芸課映像・情報室長、森脇清隆(63)は今作をそう位置づけ評価する。

貴重なフィルム映画を守る森脇清隆。冷蔵保管で劣化を防ぐ=2025年6月14日、京都市中京区の京都文化博物館、田井良洋撮影

 時代劇の真価を世界に知らし…

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