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【動画】黒山の人だかりの中、「ミライ人間洗濯機」の入浴を体験。楕円形のカプセル状の浴槽だ

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「ミライ人間洗濯機」に入った佐藤慈子記者(左)を見つめる来場者たち=2025年4月28日、大阪市此花区、米田怜央撮影

 これほど大勢の人に見守られながら入浴することは、後にも先にもないだろう。

 大阪・関西万博のヘルスケアパビリオンに出展されている「ミライ人間洗濯機」に体験入浴した。たった15分だが、身も心もリフレッシュできた。その秘密は、2種類の泡と心拍のモニター。物珍しさに目が行きがちだが、高齢者の命を守る重要な役割が期待されている。

 手がけたのは、超微細な泡で全身を洗う浴槽「ミラバス」などを製造するサイエンス(大阪市淀川区)。創業者で会長の青山恭明さん(65)が、皮膚の炎症で苦しむ自分の娘を見て、体をこすらずに洗うことはできないかと考え、泡で体を洗うことを思いついた。

 1970年の大阪万博で少年だった自分が夢中になった人間洗濯機が脳裏に浮かんでいた。

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三洋電機が55年前の大阪万博に出展した人間洗濯機「ウルトラソニックバス」(左)と、サイエンスが大阪・関西万博に出展した「ミライ人間洗濯機」
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1970年大阪万博のサンヨー館のユニホーム(左)と2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン内「ミライ人間洗濯機」のユニホーム

 今回の万博の誘致が決まった2018年には、既に一部のマンションにミラバスが標準装備されていた。「未来版の人間洗濯機をつくって万博の目玉にしよう」。出展を決め、6年かけて開発した。

 ミラバスの第1号は08年に完成しており、現在の機種は7代目。ミラバスという現代版の人間洗濯機はすでに世に出ているのに、「人間洗濯機は結局、実装されなかった」と認識されていると感じ、悔しい思いもあった。

 ミライ人間洗濯機では、洗浄に2種類の泡を使う。泡の大きさによって用途が違い、青山さんによると「胸から下はつけおき洗い、首から上はすすぎ洗い」。

【動画】注水されたら、たちまち白濁。これは汚れではなくマイクロバブル。ウルトラファインバブルのシャワーは全12カ所で向きは自分で変えられる

 浴槽では、ふたが閉まると温水が胸の高さまで流れ込む。約0.003ミリのマイクロバブルが発生し、皮脂の汚れなどを落とす。温水が白く濁るが、これは汚れではなく、マイクロバブルの密度が高いためだ。

 首から上は、更に小さい0.0001ミリのウルトラファインバブルを使い、シャワーで洗い流す。浴槽の中にウルトラファインバブルを発生させても、粒子が細かいため浮力は感じない。

 これに、心を整える仕組みを加えたものがミライ人間洗濯機の「ミライ」に当たる部分だ。

【動画】センサーで読み取った心電図から、その人に適切な映像と音楽が流れる。私の場合は四季の映像でお花畑が流れてきた

 椅子の背もたれに仕込んだセ…

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