途上国の貧困撲滅や復興支援に取り組む国連開発計画(UNDP)でアラブ地域局長を務めるアブダラ・ダルダリ氏が来日し、30日、朝日新聞の取材に応じた。パレスチナ自治区ガザ地区における社会経済的な影響の評価や国際社会の責任について語った。
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――ガザの被害をUNDPはどう見ているか。
昨年11月、最初の社会経済的な影響評価を行った。戦闘開始の約2カ月後だったが、被害は非常に大きく、戦闘が続けば経済的な被害が拡大すると予測した。現在、被害はこの予測をはるかに上回っている。
ガザの全住宅の70%が破壊され、生活の豊かさを示す人間開発指数(HDI)は、1980年代に逆戻りした。パレスチナ全体のHDIは約20年前に後退した。前例のない数字だ。
最も深刻なのはコミュニティーの崩壊だ。人々は既にアイデンティティーを感じることができない状況にある。復興計画において最も重要なことのひとつは、コミュニティーをどのように再建するかということだ。
――復興にはどれくらいの時間と費用がかかるのか。
イスラエルによる2014年…