これまで手がけたテキスタイルで作ったこいのぼりが泳ぐ空間
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 衣服にインテリア、日用品と、私たちの身近にある「布」はどのように生まれるのか。水戸市・水戸芸術館で開かれている「須藤玲子:NUNOの布づくり」展は、テキスタイルデザイナーの須藤玲子さんと日本の職人らがひたむきに続けてきた布づくりの奥深さを伝える好企画だ。

 須藤さんは国内外で評価を受けている、日本を代表するテキスタイルデザイナー。2月末に発表された昨年度の芸術選奨にも選ばれた。その作品は米メトロポリタン美術館や英ビクトリア・アンド・アルバート博物館、東京国立近代美術館など国内外25館に収蔵されている。

 本展は、須藤さんと、須藤さんが率いるテキスタイルデザイン・スタジオ「NUNO」の40年にわたる活動を紹介する大規模展。2019年に香港のアートセンター・CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)で企画・開催され、イングランド、スコットランド、スイス、そして香川県丸亀市を巡回。企画した高橋瑞木(みずき)CHAT館長兼チーフキュレーターは須藤さんについて、「日本各地に散らばった家族経営の工場から大きな工場まで、マテリアル技術の全てを引き出し、突出して美しいテキスタイルを生み出している」と評する。

身近すぎて伝わらない 布づくりの大変さ

 本展で興味深いのは、展示の…

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