戸建て住宅大手「住友林業」熊本支店(熊本市)の新入社員の男性(当時24)が2016年に自殺したのは、長時間労働や上司のパワーハラスメントが原因だとして、労災でないとした処分を取り消すよう父親(64)が国に求めた訴訟の判決が5日、福岡地裁であった。中辻雄一朗裁判長は、原告の訴えを認め、処分を取り消すよう命じた。
判決によると、男性は大学卒業後の15年4月に入社し、熊本支店に営業職として配属。帰省中の16年元日に自殺した。父親は熊本労基署に労災を申請したが、署は17年12月、労災と認めない決定をした。
中辻裁判長は、同社が定めた1日計2時間の休憩時間について、営業職に休憩を確実に取る意識が薄かった上、新入社員が自分の裁量で休憩するのは心理的な抵抗感があったと指摘。自殺直前の2カ月間の残業時間は月100時間前後だったと認定した。
さらに、指導担当の上司が…