元朝鮮人労働者に対する聞き取り調査のテープなどを託された荒井真理さん=2024年5月16日、新潟県佐渡市、北沢祐生撮影

 世界遺産登録を目指す「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)。戦時中、ここで働いた朝鮮人の状況について、地元の人や研究者らが調べた内容をまとめた資料集が6月、刊行された。登録の適否を判断する世界遺産委員会を7月下旬に控える中、収録された証言や資料は何を投げかけるのか。

 皇民化教育などを受けて言うことを聞かないと寮長に殴られたこと、朝鮮人がより多く投入されたほこりが充満する危険な坑内で空腹のまま作業させられたこと、帰国後に肺などを悪くしたこと……。

 牧師で佐渡市議の荒井真理さん(59)の元にある約20本のカセットテープ。戦時中、佐渡島の鉱山に動員された朝鮮人労働者の証言が収録されている。

韓国に当事者を訪ね歩いた住職

 1990年代にテープを残し…

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