福岡県立育徳館中学・高校管弦楽部と合唱団のメンバーに指揮をする佐渡裕さん=2024年7月26日午後7時51分、北九州ソレイユホール、田中久稔撮影

 夢の共演が実現した。福岡県立育徳館中学・高校(みやこ町)の管弦楽部が7月26日夜、北九州ソレイユホールでベートーベン「交響曲第9番」(第九)のコンサートを行った。タクトを振ったのは、ウィーンを拠点に活躍する指揮者の佐渡裕さん(63)。小さな縁から交流を続け、5年越しで「約束」が果たされた。

 本番2時間前のゲネプロ(通し稽古)。部員の演奏には硬さがみられた。「4分音符が短い」「タイミングが合唱にひきずられています」。部長の進香里(しんかおり)さん(高校3年)が注意点を部員に伝え、楽器のパートごとに課題を確認し合った。

 部顧問の皆川真紀さん(57)は困難の日々を思い出していた。「ここまで来られたのがうそのよう」。生徒を信じ、ステージの袖で見守った――。

 佐渡さんと部の出会いは20…

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