体外で培養したマウスの子宮で、胚(はい)(受精卵)の着床と発生に成功したと、大阪大学の研究グループが発表した。着床の仕組みの解明とともに、不妊治療の課題となっている着床不全の治療法の開発につながる可能性がある。
国内ではおよそ10人に1人が生殖補助医療(ART)で生まれている。ARTでの受精の成功率は8割に達する一方、着床率は5割に満たない。着床の仕組みはわかっておらず、体外受精でできた胚を繰り返し移植しても着床に至らない反復着床不全の治療法は確立されていない。
阪大微生物病研究所の研究グループは、別々のマウスの子宮から、着床直前の状態にある胚と、周りの筋肉などから切り離した子宮内膜の断片を採取し、一緒に培養した。酸素を通しやすい素材で作ったプレートを用いて胚と子宮内膜を固定させ、着床を促した。
酸素の供給効率や女性ホルモ…