「神の汚れた手」「太郎物語」などの小説やエッセー「老いの才覚」があり、右派の論客としても知られた作家で文化功労者の曽野綾子(その・あやこ、本名三浦知寿子〈みうら・ちずこ〉)さんが2月28日、老衰のため東京都内の病院で死去した。93歳だった。葬儀は近親者で営んだ。夫は元文化庁長官で作家の故三浦朱門さん。
東京都生まれ。幼稚園から一貫したカトリック教育を受け、17歳で洗礼を受けた。大学時代から同人誌「新思潮」に加わり、1953年に同人の三浦さんと結婚。54年、進駐軍兵士らを若い女性の視点で捉えた「遠来の客たち」が芥川賞候補となった。
建設現場で働く技術者らの姿…