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 ロシアがウクライナへの全面侵攻を始めてから、2月24日で3年を迎える。最近の戦況のポイントと両国の戦時社会の問題を探る。

【特集】ウクライナ侵攻3年 平行世界(パラレルワールド)

戦争で引き裂かれ、交わる機会を失った二つの国で、同じ問いにそれぞれの立場から答えてもらった。

ロシアが仕掛け続ける「士気をくじく作戦」

 ウクライナの首都キーウでは今も連日、空襲警報が響き渡る。数時間続く警報が夜から未明、早朝にかけて複数回発令されることも珍しくない。

 その都度、住民は地下シェルターなどへの避難を強いられる。今月始めから21日までの間に空襲警報が発令されなかったのは2日しかなかった。

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死者を追悼するウクライナ国旗や遺影が並ぶキーウ中心部の独立広場(マイダン)を訪れる人たち=2025年2月13日午前9時46分、藤原伸雄撮影

 到達時間の短い短距離弾道ミサイルや、ロシア領内奥深くから戦略爆撃機で発射される巡航ミサイルに加え、住民への脅威を増しているのがドローン(無人機)だ。

 そのロシア軍のドローン攻撃に、昨夏から変化が起きている。目標を破壊するための弾頭を搭載しないまま、上空を飛び回る「おとりドローン」が増えているのだ。ウクライナ国防省情報総局によると、昨年10月に飛来したドローン2千機超のうち、約半数が「おとり」だったという。

 元ウクライナ空軍所属のアナ…

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