香川県内の保育施設や幼稚園には、「芸術士」が派遣されている。美術や音楽、パフォーマンスなどの専門性を生かして、子どもたちの表現活動をサポートするアーティストのことだ。子どもの可能性を引き出すことを目的にした全国でも珍しい事業は、15年余りにわたり続いている。
芸術士は2009年、高松市の23の保育施設に8人が派遣されたのが始まりだ。第2次世界大戦後、北イタリアの小都市レッジョエミリアで、美術の専門家「アトリエリスタ」を幼児教育の現場で雇用し、創造活動をサポートした取り組みにヒントを得て、考案された。
仕掛け人は、広告会社勤務を経て、現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の立ち上げに関わっていた三井文博さん（70）だ。
瀬戸芸を機に移住するアーティストに
三井さんは、瀬戸芸の総合デ…
