俳人の黛(まゆずみ)まどかさんが、俳句の師匠でもあった亡き父に捧げたいと発案した「俳句涅槃(ねはん)図」が、京都・建仁寺の塔頭(たっちゅう)、西来(せいらい)院に奉納された。黛さんの風変わりな願いに応えたのが、ポップな作風が持ち味の壁画絵師、木村英輝さん。俳句と絵画がコラボした異色の作品は3月18日まで特別公開されている。
黛さんの父、俳人の黛執(しゅう)さんは2020年10月、90歳で亡くなった。常に笑顔を絶やさず、優しかった父。誰かを好きになっても、父と比べると「恋が冷めた」。
「分身」のような存在の父をなくした喪失感は大きかった。時の流れも、心の痛みを癒やしてはくれない。句作もできず、落ち込む日々が続いた。
そんな黛さんに立ち直るきっかけを与えてくれたのが、1枚の絵だ。
それは、毎年のように京都・…