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 21日に死去したフランシスコ教皇は、世界に14億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会のトップでありながら、「清貧」を信条とし、冗談を愛する気さくさを最後まで失わなかった。世界の紛争や人権問題の現場に自らが足を運ぶ独自の「現場主義」を貫いた「パパ」が安らかな眠りについた。

  • ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が死去、88歳
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バチカンで2023年12月9日、枢機卿らとともに歩くフランシスコ教皇(左)=AP

 フランシスコ教皇は南米アルゼンチンの出身で、イタリア移民の両親のもとに生まれた。昔から教会で信者の話を聞くだけでは満足せず、積極的に外に出た。教皇に選ばれる前のブエノスアイレス大司教時代には、一人でバスに乗ってスラムを訪ねてはミサを開き、住民と食卓を囲んだ。

 偉ぶらずに常に貧しい人や弱…

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