(19日、春季関東地区高校野球大会群馬県予選2回戦 健大高崎9―2館林商工)
選抜大会ベスト4の健大高崎が大会後初の公式戦に臨み、再スタートを切った。
- 大所帯でも実戦経験は平等 健大高崎の青柳監督が掲げる「公正公平」
この日の主役は、公式戦で初めてベンチ入りした3年生、岩田幸弥だった。
四回、二塁手の守備から途中出場し、第1打席は見逃し三振。6点リードの七回、先頭で再び打席が回ってきた。「前の打席は初球を振れなかった」と岩田。今度は初球の直球を振りぬくと、打球は高々と舞い上がり、左翼フェンスを悠々と越えた。コールド勝ちを決めるアーチになった。
小柄で守備が武器の内野手は、「まさか入るとは思わなかった」。打った自分も驚く、練習試合も含めて初の本塁打だった。甲子園で活躍する同級生の姿に刺激を受け、夜も自主練習を繰り返してきた成果が出た。
今大会は試合ごとにベンチ入りメンバー20人を入れ替えられる規定となっている。
この日は最速150キロ右腕石垣元気のほか、左腕の下重賢慎、正捕手の小堀弘晴らはスタンドから応援していた。代わりに、昨秋の公式戦や選抜で出番が少なかった選手を含む18人が出場した。青柳博文監督は多くの選手にチャンスを与える方針だ。
全国から有望な新1年生が加わる中、青柳監督は岩田のような「3年生の意地」に期待する。
「春(の甲子園の期間)は手伝いに回った子がいっぱいいる。熱い思いを出してもらって、一人でも多く夏の戦力になってもらいたい」