健大高崎―前橋育英 五回表健大高崎2死二、三塁、加藤の適時打で石垣に続いて石田が生還し、逆転=2025年5月3日午前10時29分、高崎城南、八木正則撮影

 第77回春季関東地区高校野球大会群馬県予選(県高校野球連盟主催、朝日新聞前橋総局など後援)の準決勝が3日、高崎市城南野球場であった。第1試合は健大高崎が前橋育英にコールド勝ち。第2試合は桐生第一が中盤の猛攻で東農大二を制した。

 決勝は4日午前10時から、同球場である。決勝に進んだ2チームは17日から茨城県で開催される関東地区大会に出場する。健大高崎は4年連続11回目、桐生第一は11年ぶり10回目の出場となる。

健大高崎、前橋育英に逆転コールド

 ◎…健大高崎は2点を追う五回表、2死から死球を選んで出塁した田上賢芯(3年)が反撃の起点になった。「なんとか出塁したい」とボールを見極めた。その後、石垣元気(3年)が内野安打で出塁、続く石田雄星(2年)が内野ゴロで敵失を誘う。相手の守備の隙をついて1点を返し、試合巧者ぶりを見せた。

 さらに2死二、三塁の好機。続く加藤大成(3年)は「体を開かずに、センター返しで」とバットを短く持ち、内角寄りの変化球をセンターにはじき返す。2人が生還して逆転を果たした。

 二回裏、加藤はショートに飛んできた相手の内野ゴロを捕球する際に土に足を取られ、前橋育英に先取点を渡していた。「自分のミスで点が入ってしまった。なんとしてもここで打たなきゃ、もう引退だ、くらいの気持ちだった」。二塁から逆転に喜ぶベンチを見てほっと安心したという。

 七回表には足を絡めた攻撃を駆使して揺さぶり、伊藤大地(3年)の左越え3点本塁打で突き放した。伊藤は「とにかくつなぐ意識で、高めに浮いた直球を捉えた」。

 今春の選抜高校野球大会で4強入りした健大高崎。主将の加藤は「春だって『負けたら引退』の気持ちで戦いたい。まず目の前の県予選を勝ち切って優勝を全力で目指したい」と意気込んだ。

桐生第一、中盤の猛攻で東農大二制す

 ◎…桐生第一は同点で迎えた六回表2死一、二塁、林滉太(3年)が内角の変化球を振り抜き、左フェンス直撃の適時二塁打に。2人が生還し、勝ち越した。

 「相手投手は直球やスライダーが低めに決まっていた。どちらかと言えば、直球を狙っていたが、内角の変化球に反応することができた」と林。

 さらに松島桜介(2年)の適時二塁打で2点を追加、大会注目投手の東農大二・山田琉聖(3年)から計7点を奪った。

 秋季関東地区高校野球大会群馬県予選では2回戦で健大高崎に0―14(5回コールド)で惨敗した。冬から春にかけては、球の速い投手に対応するべく、マシンの速球や近い距離から投じる球を打ち返す練習に取り組んだ。その努力が実を結んだ。

 エース斎川航大(3年)は149球完投。この日は本調子ではなかったというが、五回裏には四球で出した走者を足がかりに2点を返され追い付かれたが、堅い守備で守り切った。「動揺したけど、仲間がそのあと点を取ってくれたから気持ちが楽になった」と斎川。

 決勝の相手は健大高崎だ。「健大高崎は長打力があり、個々のレベルが高い。緩急や制球力、打者の嫌なところを突く自分の持ち味を生かして、テンポのいい投球ができれば。秋のコールド負けの悔しさをぶつけたい」

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