ニューヨークでは悪天候の日も長傘を携行する人が少なく、折り畳み傘や帽子や防水コートでしのぐ人が多い。こっちはみんな傘ささないよねえ、と日本の人に呆(あき)れられ、湿気の害を嫌う我々の風土とは違うかもね、と答えた。多少濡(ぬ)れても気にしない、どうせすぐ乾くし、という感覚か。
- 岡田育 ハジッコを生きる
たとえば屋根付きのバス停でも、わざわざ外で濡れて待つ人がいる。男性が多い。屋根の下のベンチは女子供や高齢者に譲りますという紳士ぶり以上に、これしきで雨宿りするヤワな俺様じゃないぜ、と示したがるワイルドメンだ。冬場のフットボールは吹雪の中でも試合続行するのが慣例で、ああいう国民的スポーツを観(み)て育つ男の子はこういうマッチョになるのかね、と考えてしまう。
数年前、小雨が上がりかけた…