今回の備蓄米放出は、政府が米価に介入していた時代に「先祖返り」する危うさもはらむ。
戦後の食糧管理制度では、政府が、農家からコメを買い上げる生産者米価と、卸売業者に売り渡す消費者米価を決めていた。生産者米価は、コメ農家を支持基盤とする自民党族議員の政治力でつりあげられ、しばしば消費者米価を上回る「逆ざや」が発生した。
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高い米価はコメの過剰生産も助長する。政府は、消費者に売り切れない米を大量に抱えることになり、2度のその処理に計3兆円もの巨額の国費を投じることになった。
こうした過去の反省から、農…