農林水産省は21日夜、備蓄米の放出に向けて28~30日に予定していた4回目の入札を中止すると正式に発表した。小泉進次郎農水相の指示を受け、任意の業者との「随意契約」による放出に切り替える検討に入ったため。急な方針の変更に、流通の現場などでは戸惑いも広がっている。
「国民に最も求められているのは、コメの問題をスピード感をもって結果を出せるかどうかだ」。小泉氏は22日、農水省での職員への訓示ではっぱをかけた。
備蓄米の放出では、多くの業者に購入価格を競わせる入札方式を採用し、高い価格を示した業者に売り渡してきた。税金で買い入れた備蓄米は「国民の財産」(江藤拓前農水相)で、不当に安くは売れない。会計法などの原則にもとづく入札にこだわっていた。
しかし、入札による競争で落札価格が高まり、スーパーなど小売店での値段が下がらない一因になっているとの指摘も出ていた。農水省によると、全国のスーパー約1千店でのコメの平均販売価格は5キロ4200円を超え、前年水準の2倍以上の高値になっている。
石破茂首相は21日、米価に…