働く高齢者の増加で労働災害も増えているとして、厚生労働省は高齢者に配慮した作業環境の整備を企業の努力義務とする。6日の労働政策審議会の分科会で、労使が大筋で合意した。厚労省は2025年の通常国会に労働安全衛生法の改正案を提出する方針。
努力義務とする対策としては、段差の解消や手すりの設置のほか、高齢者の体力や特性に配慮した作業内容の見直しなどを想定している。定期的な健康診断や体力チェックの継続的な実施も求める。同法に基づく指針も定める方針だ。
人手不足などを背景に、高齢の労働者は増えている。65歳以上の労働者は、23年は約914万人で過去最多を更新した。厚労省によると、労働者全体に占める割合は、23年は50歳以上が41.4%、60歳以上が18.7%まで増えた。
同時に増える労災事故
同時に、高齢者の労災事故も…