いわき信用組合の本店=2025年5月7日、福島県いわき市、沢伸也撮影

 架空融資の疑いが浮上したいわき信用組合(福島県いわき市)の組合員が20日までに、江尻次郎元会長について、融資の申込書を偽造した私文書偽造などの疑いがあるとする告発文を福島地検いわき支部に提出した。

 同信組は、預金者名義を使って無断で作った別口座に融資を行う形で、資金を流出させていた疑いがある。告発文では、江尻元会長は同信組の理事長や専務理事らと共謀して昨年10月、顧客の男性から融資の申し込みを受けたように装い、借り入れ申込書を偽造した疑いがあるとしている。朝日新聞の取材で、男性は2009年に死亡したことが判明している。

 また、架空の融資を計上し、融資残高を過大に装った23年度決算書を作成した銀行法違反などの疑いもあるとしている。

 架空融資について、加藤勝信・金融担当相は20日の閣議後会見で「大変遺憾だ。同信組には徹底した原因究明、実効性のある再発防止策を強く求めている。法令にのっとり厳正に対応していきたい」と述べた。

 いわき信組は東日本大震災後の12年1月、金融庁から200億円の資本増強を受けた。今年3月には、信組の上部機関である全国信用協同組合連合会から50億円の支援も受けた。加藤金融相は会見で、200億円の使い道について「いわき信用組合に確認しているところ。そうしたことも含めて最終的な判断をしたい」と話した。

第三者は30日に調査結果を発表へ

 同信組は昨年11月、「旧経…

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