日本相撲協会を9日付で退職し、会見を開く元横綱白鵬の宮城野親方(40)。近年は記者クラブ担当としての仕事が割り当てられていた。
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報道陣が詰める記者室で、取組結果を記録するのが主な役割。同じモンゴル出身で元横綱鶴竜の音羽山親方(39)とともに、大きな体で、しこ名や星取りを丁寧に書き込んでいる姿が印象的だった。
今年3月11日、自身の誕生日に報道陣に豚まんを差し入れしてくれた。
大阪で有名な「551 HORAI」の看板メニューで、宮城野親方本人が現役時代から好きだったそうだ。
報道陣からは誕生日のケーキを贈った。
その際、宮城野親方はこんな話をはじめた。
「昨日、母と電話をしました。(母から聞いた話では)40歳はモンゴルでも日本の還暦のように意味のある年齢。欲もなくなって新しいことにチャレンジし、いろんな物事に耐える力が付く」
聞いた当時は気にならなかったが、今になって思えば、含みのある言葉だった。関係者によれば、このときすでに、退職の思いを強くしていたはずだからだ。
4月上旬には退職の意向が文春オンラインで報じられ、周囲が慌ただしくなった。
音羽山親方が審判部に持ち場替えとなり、記者室での仕事は宮城野親方1人に。報道陣に囲まれながらの仕事は、居心地が悪かったと思う。
それでも弟子の相撲にコメントや解説を求めれば、快く応じてくれた。
ただし、退職の意向については報道陣の取材に対して否定を続けた。
文春オンラインが報じた直後も、夏場所千秋楽だった5月25日も。
角界に残る弟子のことを思って自分の思いは伏せていたのか。それとも、別の事情があったのか。
「すべて話します」と言って臨む記者会見は、9日昼に東京都内で行われる。本人の口から何が語られるのか、注目している。