Smiley face
写真・図版
イラスト・きたむらさとし

悩みのるつぼ 相談者(50代女性)

 夫とは死別、子どもは独立して一人暮らしです。相談するのは離れたところでバツイチの兄と暮らしている80代の母のことです。

 月に1回のペースで仕事を休み、家事や通院の手伝いを兼ねて会いに行くようにしていますが、母は、私と2歳違いの兄に甘いのです。

 うそを言ってお金の無心を繰り返す兄に喜んでお金を渡し、衣食住の世話までしています。私はあきれながらも、顔には出さないようにしてきました。毎日母の話し相手になり、休日には母の買い物に付き合ってくれる兄に感謝しているからです。

 ところが母は「一緒に暮らして家事を代わってほしい。将来は私たち(母と兄)の介護も担ってほしい」と頼んできます。体が弱い兄の将来が心配なので「財産の大半は兄に残したい」とも言います。

 「女は勉強や仕事よりも家族に尽くすべき」と育てられました。「こんなにも差をつけられると悲しい」と訴えると、逆に「あんたにもずいぶん尽くした。泣かされたこともある」などと責めてきて、話を聞いてくれません。どのように気持ちを整理したらよいのかわかりません。

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回答者 社会学者・上野千鶴子さん

 子どもはみなかわいい、きょ…

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