先制点を喜ぶ日本の選手たち=AFP時事
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 サッカー男子の23歳以下(U23)のアジア杯は19日、パリ五輪アジア最終予選を兼ねてドーハで1次リーグB組の第2戦があり、日本はアラブ首長国連邦(UAE)を2―0で下して2連勝とし、8強による準々決勝進出を決めた。

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 前半27分にMF山本(シントトロイデン)のクロスにDF木村(鳥栖)が頭を合わせて先制。後半にMF川崎(京都)が加点し、2戦連続の無失点勝利を挙げた。

 もう1試合は韓国が2―0で中国に勝って、2連勝で8強入り。日本は22日の1次リーグ最終戦で、1位通過をかけて韓国と対戦する。準々決勝は25日に行われる。

主将も温存、86人呼んだ2年間の積み上げ

 先発7人を入れ替えた日本は、初戦は控えだった選手たちが躍動した。

 象徴的だったのは、勝負を決定づけた2点目だ。後半21分、敵陣の左奥で球を受けたFW佐藤が縦パス。攻め上がったスピードを生かしたままDF大畑がクロスを上げ、MF川崎が頭で決めた。

 スムーズな連係をみせた3人は、この日が初先発。川崎は言った。「みんな初戦から出たかった。全員が悔しさを持って臨んでいた」

 選手を入れ替えても機能したのは、「1人に頼らない」チーム作りをしてきたからだ。

 大岩監督が就任してから2年間で招集したのは86人。A代表に比べ、この年代の代表は所属チームの事情で招集が難しいケースが多い。五輪切符がかかる今大会でも主力を選出できないことを頭に入れ、これまでの親善試合でも先発を入れ替えてきた。

 監督の口癖は「我々のグループは、誰が出ても変わらない」。この日は主将のMF藤田も温存。ちゅうちょなくメンバーを替えたのはチーム作りへの自信の表れだ。

 終盤、2点のリードで試合を終わらせようとする選手に対し、ベンチは3点目を狙いにいくよう求めた。「チャンスがあれば貪欲(どんよく)に。そういう意識の高さは持とう」。試合後、大岩監督は改めて選手に指摘することも忘れなかった。

 1位通過のかかる韓国戦、負ければ終わりの準々決勝に向け、教訓も得ながらの勝利だった。(ドーハ=照屋健)

2試合連続無失点に手応えも

 日本・大岩監督 「代わった選手が良いパフォーマンスをしてくれた。しっかり評価して、韓国戦に臨みたい」

 木村 頭で先制点。「いいボールが来たので、僕は触るだけ。半分ぐらいは(クロスを上げた山本)理仁の得点」

 小久保 2戦連続で無失点。「どの選手がセンターバックに入っても、コミュニケーションがとれている。次につながる」

 ▼西尾は3試合出場停止 サッカー男子のパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU23(23歳以下)アジアカップの初戦の中国戦で相手選手にひじ打ちし、一発退場となった日本のDF西尾隆矢(セ大阪)が3試合の出場停止処分を受けた。準々決勝までが対象となる。日本協会が19日、アジア連盟から通達があったと明らかにした。

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