ジャンプ東池袋で友人とトランプを楽しむテツさん(画像を一部加工しています)=2025年4月19日午後4時55分、東京都豊島区東池袋、狩野浩平撮影

 東京・池袋の一角に、何十人もの中高生が集まる公共施設がある。

 漫画やゲーム、ダーツ、ビリヤード、バスケコート、音楽スタジオまで……。若者の楽しみが詰まったこの施設は、豊島区立の「児童館」だ。

  • 中高生に潔癖求める社会で 全国4千カ所超、児童館に期待できること

 中高生センター・ジャンプ東池袋。区内在住・在学の中高生世代が対象で、平日は午後8時まで利用できる(中学生は7時まで)。多い日は100人ほどが537平方メートルの施設内にひしめき合う。

 4月の週末、ダーツやトランプを楽しむグループの中に高校2年生のテツさん(16)がいた。中学時代からの利用者で、高校の友達を誘ってきたという。「初めて来た友達には『家にないものがたくさんあってすごい』と驚かれます」

中高生世代向けに、様々な設備がそろった児童館。物だけでなく、支える人たちも様々な専門性を持っています。専門家は、児童館が数少ない「成長を求められない場所」だから果たせる役割があると話します。

 小学校時代に利用していた区の施設の職員から紹介され、通い始めた。

 中学時代はコロナ禍が直撃した頃。授業や部活動だけでなく、友達と集まって遊ぶ機会も大きく制限された。特に感染リスクが高いとされる屋内の居場所がなくなる中で、ジャンプは安心して集まれる数少ない場所だった。「あの頃は屋根があるだけで助かった」

2施設で延べ4万人超が利用

 2日に1回ほど遊びに来るテ…

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