(25日、春季近畿地区高校野球大会1回戦、京都共栄1―8奈良大付=八回コールド)
同点で迎えた六回裏1死満塁。左打者の奈良大付・森央真(おうま)選手(3年)は「無心」を心がけて打席に入ると、真ん中に入った4球目の直球を逆らわずにセンター方向へ。走者一掃の適時二塁打となった。
昨夏の奈良大会決勝では4番を務めたほど、長打が売りの選手。しかし、真面目な性格ゆえに、打席では迷いが生まれて、ゴロに打ち取られることも多かった。
1日1千本の素振りがチームの決まり事。その後、森選手はさらに100本でも200本でも納得するまで素振りをする。終わりの基準は「無心で良い振りができたか」で決まる。日々、突き詰めてきた素振りが、近畿大会の舞台でチームを勝利に導いた。
次の相手は大阪桐蔭に八回コールド勝ちした東洋大姫路。冷静な口調で取材に答えながらも「打撃でも守備でも攻めの気持ちでいく」と闘志を込めた。