将棋の八代弥(わたる)七段(31)が10日、東京都渋谷区の将棋会館で指された第84期名人戦・C級2組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)2回戦で北島忠雄七段(59)に勝ち、七段昇段後の公式戦通算190勝として規定により同日付で八段に昇段した。

 八代新八段は2019年、七段に。わずか6年で190勝を積み上げた。八段への他の昇段規定は①竜王1期獲得②順位戦A級昇級③タイトル2期獲得。31歳で規定の勝利数を満たす形での八段昇段は異例と言える。

 12年に18歳で四段昇段(プロ入り)を果たした。17年、第10回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)で当時最年少の22歳で優勝。各棋戦で活躍し、通算勝率は6割6分を超えている。

八代弥新八段=2025年7月10日午後8時57分、東京都渋谷区の将棋会館、北野新太撮影

 今期の竜王戦では最も上の階級のランキング戦1組で優勝を果たし、進行中の決勝トーナメントで藤井聡太竜王への挑戦権獲得を目指す戦いを始める。

 一方、順位戦では最も下の階級のC級2組で現在14期目。毎期、昇級候補に挙げられながら果たせていない。今期の悲願成就に向け、開幕2連勝スタートとなった。

 局後の質疑は以下の通り。

 ――八段昇段を決めた思いを。

 「残り20~30局くらいの…

共有
Exit mobile version