3月8日の土曜日。中国東北部の遼寧省瀋陽市にある南湖公園を訪れると、A4大の白い紙がずらりとつり下げられていた。
「男 84年生まれ未婚 身長168センチ 体重75キロ エンジニア(国有企業) 月収7000元+ 家あり車あり 求める女性 84年以降生まれ未婚 健康 感情の安定」
「女 92年生まれ未婚 身長162センチ 体重49キロ 中学教師(正規) 求める男性 89年以降生まれ未婚 家あり 良くない嗜好(しこう)なし」
並んだ紙には男女それぞれの情報が列挙され、携帯電話などの連絡先が記されている。結婚相手を探すためのものだ。わが子を結婚させたくて業者などを通して手配する親がいれば、子どもにふさわしい結婚相手を求めて見にくる親もいる。
【連載】新語・流行語から探る中国
受験や結婚といった人生の転機や、経済やライフスタイルの変化を、中国の人びとはワンフレーズの漢字で巧みに表現しています。そんな新語・流行語が映し出す、中国社会のいまを読み解きます。
1978年生まれの息子が独身で、毎週末の土日に手書きの紙を持ってこの公園に通っているという女性(76)がベンチに座っていた。「ぜいたくは言わない。子どもを産んでくれる女性を早く見つけたい」
記事後半では、中国の若い世代の本音や、ある日本人研究者の著書が中国で人気となっていることを紹介します。
結婚求める価値観は根強く 「余った未婚者」を指す言葉も
こうした光景は中国の公園で…