少子化を背景に私立大学の学生募集停止のニュースが相次ぐ中、地方自治体が公立大学の設置・拡充を目指す動きが続いている。香川県では、知事が県立大学の新設などを検討する考えを示した。若者の県外流出を防ぐことが狙いというが、どこまで効果があるのか。
- 定員割れ続く地方の私立大 4代目の理事長が見据える持続的な運営
「検討委員会を設置して県立大学の設置・拡充の是非を含めて検討していきたい」
今年2月、香川県の池田豊人知事は県議会で、代表質問にこう答弁した。県立大の新設や、すでにある県立保健医療大学の拡充は「若者の県内定着を図る有効な選択肢になりうる」とも述べた。
県によると、知事の考えの背景にあるのは、若者の多くが大学の進学時と就職時の二つの場面で「県外に流出している」という危機感だ。
昨年度、香川県の高校から大学に進学した人のうち、約8割が県外に出た。一方、卒業後に香川県にUターン就職した人は約3割にとどまっている。県立大学の新設や拡充は「現時点で決定したものではないが、検討していく必要がある」(政策課)という。
同様の問題意識から、佐賀県でも2023年から県立大の新設に向けた議論が始まったほか、三重県四日市市も公立大の設置を視野に入れた検討を進めている。
公立大、2001年以降も年平均1校ずつ増加
文部科学省によると、全国の…