新学習指導要領になって初の大学入学共通テストが終わった。「情報Ⅰ」が新設され、「歴史総合」や「公共」など、新たな科目もできたが、今回を振り返って、この後どう出願し、高2生や高校教員はどんなことに注目していけばいいのか。駿台予備学校で長く入試分析をしていた、大学入試アナリストの石原賢一さんに聞いた。
次は難化?「気を引き締めて」
――新課程になって初の共通テストでした。全体の受け止めは?
新課程の初年度はおおむね解きやすい出題であることが多いのですが、今回も驚くような難問や奇問もなく、事前に公表されていた試作問題に添った解きやすい内容でした。2021年に共通テストに変わって5年目となり、どの教科・科目の出題も安定してきた印象です。ただ、脅すわけではないのですが、過去も新課程の2年目は難化する傾向があるので、高2生は気を引き締めて勉強してください。
「世界の中の日本」改めて意識を
――1日目の「歴史総合」で世界史からの出題内容が多く、日本史選択の受験生から困惑した声も出たようですが。
歴史総合は、主に18世紀以降の近現代史を世界史と日本史を融合して学ぶ新しい科目です。出題をみると、「世界の中の日本」という意識を重視する強いメッセージが受け止められます。これまでの日本史、世界史などの枠組みで考えず、パレスチナ問題、日米の関係など、現代社会の問題にも通じる開かれた学びを教員も受験生も、改めて意識する必要があるでしょう。
「公共」は今後注目すべき科目? 課題は…
――「日本史探究」など「探究」と名のつく科目や「公共」も新設されました。
- 「情報Ⅰの振り返りと今後の展望」 朝日新聞無料セミナー開催
「世界史探究」「地理探究」…