新潟県上越市の中川幹太市長(50)は9日、兵庫県三田市で食べた米を「まずい」と発言したことを受け、記者会見を開いた。「三田市や全国の農業関係者への敬意と配慮を欠き、軽率で不適切な発言だった」と謝罪、発言を撤回した。食べたのは30年以上前で、どこの産地の米か分からない中での発言だったと釈明した。
上越市によると、中川市長は1日、ふるさと納税専門官への委嘱状交付式の懇談で、酒米の山田錦の産地である兵庫県に関する話題となり、三田市に住んでいた中学、高校時代に食べた米について「まずい。これあんまり言ったら怒られるんですけど」などと発言。3日に市内の専門学校で特別授業をした際にも同様の発言をしたという。
これを知った三田市の田村克也市長は7日、中川市長に抗議状を送付。「自治体首長という立場でいながら大変身勝手な発言で、三田市及び兵庫県の農業者の努力や産品に込められた思いを愚弄(ぐろう)している」として公式の場での謝罪を求めていた。
相次ぐ失言、昨年にも
中川市長は2021年の市長選で初当選。昨年6月の市議会で、企業誘致を巡って「頭のいい人だけが来るわけではない」と述べるなど不適切発言が問題になり、同年7月に市議会が辞職勧告決議案を賛成多数で可決。同年9月には不信任決議案が提案されたが、賛成少数で否決された。
今年10月の市長選に再選を目指して立候補する意向を表明している。