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兵庫県立篠山産業高校の長沢宏行氏=2022年10月5日午後3時58分、兵庫県丹波篠山市郡家、岡田健撮影
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 兵庫県立篠山産業高校硬式野球部の監督だった長沢宏行氏(72)が、7月に部員に暴力行為をしたとして、指導から外れていることが26日、学校などへの取材で分かった。

 学校の説明では、長沢氏は今夏の兵庫大会で負けた直後の7月10日、同校グラウンドであった1、2年生の部員同士の紅白戦で、けがをしているのに出場しようとした部員に不適切な指導をしたという。

 学校の部員への聞き取りでは、少なくとも10人程度が、長沢氏が2年生部員1人の顔を殴るなどしたのを見たり聞いたりしたと答えたという。

 長沢氏は暴力行為を認め、野球部の指導を外れたという。今月始まった秋季地区大会では別の監督が担当している。

 長沢氏は兵庫県西宮市出身。神村学園(鹿児島)や創志学園(岡山)の監督として甲子園に出場した。2005年の選抜大会は神村学園で準優勝した。1996年アトランタ五輪では、ソフトボール女子日本代表のヘッドコーチを務めた。

 兵庫県丹波篠山市は2022年10月、スポーツを通じた地域活性化をめざし、長沢氏を市の特別職のスポーツ振興官に招いた。長沢氏は市の職務の一環として市内にある高校の部活指導をしていた。

 丹波篠山市の酒井隆明市長は26日会見し、「振興官が手を出したことは申し訳ありませんでした」と謝罪した。そのうえで「市の調査では殴ったという事実はない。軽くはたいただけ」との認識を示した。今後、高校野球連盟の判断を待って、市の対応を考えるとした。

 兵庫県高野連は「現在、学校に詳細を確認している」としている。

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