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長沢宏行スポーツ振興官の退職願を受理して会見する酒井隆明・丹波篠山市長(左)と代理人=2025年9月8日午後3時35分、丹波篠山市役所、青木康行撮影

 兵庫県立篠山産業高校硬式野球部の監督だった長沢宏行氏(72)が、部員に暴力行為をしたとされる問題で、長沢氏は丹波篠山市の特別職であるスポーツ振興官の退職願を8日、代理人を通じて市へ届け出た。市は同日付で受理した。

 長沢氏は2022年10月、スポーツを通じた地域活性化をめざすスポーツ振興官に就任(任期は26年3月まで)。職務の一環として篠山産業高校野球部の監督を務めていた。同校での指導から正式に外れる。

 長沢氏の代理人は「野球部、学校、市など関係するみなさんに申し訳ない。精神的、身体的に疲労している」と長沢氏の退職理由を話した。

 酒井隆明・丹波篠山市長はスポーツ振興官を退職したことを同日、同校へ報告した。取材に対し、隅元優一教頭は「高野連での調査が進行中なのでコメントは差し控える」と話した。

 これまでの学校の説明では、長沢氏は今夏の全国高校野球選手権兵庫大会で負けた直後の7月10日、同校グラウンドであった1、2年生の部員同士の紅白戦に、けがをしているのに出場しようとした2年生部員に暴力行為をした。

 学校の聞き取りに複数の部員が、長沢氏が部員1人の顔を殴るなどしたのを見たり聞いたりしたと答えたという。長沢氏は暴力行為を認め、野球部の指導を外れていた。

 長沢氏は兵庫県西宮市出身。神村学園(鹿児島)や創志学園(岡山)の監督として甲子園に出場した。05年の選抜大会は神村学園で準優勝した。1996年アトランタ五輪では、ソフトボール女子日本代表のヘッドコーチを務めた。

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