候補者の第一声を聞く人たち=2024年10月31日午前9時34分、兵庫県内、筋野健太撮影

 前知事の自動失職に伴う兵庫県知事選が31日告示され、午前9時半時点で過去最多の7人が立候補を届け出た。投開票日は11月17日。

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 立候補したのは、前参院議員の清水貴之氏(50)、同県尼崎市前市長の稲村和美氏(52)、再選を目指す前職の斎藤元彦氏(47)、医師の大沢芳清氏(61)、レコード会社経営の福本繁幸氏(58)、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)、ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(49)=届け出順、年齢は投票日現在。

 いずれも無所属での立候補。清水氏は日本維新の会を離党したが、兵庫維新の会の支援を受ける。稲村氏は一部の自民党議員や立憲民主党議員らが支援する。大沢氏は共産党が推薦する。

 県選挙管理委員会によると、県知事選の候補者数はこれまで、1974年と前回2021年の5人が最多だった。

 斎藤氏が失職に至ったのは、自身の職員に対するパワハラ疑惑などを記した内部告発文書が県議や報道機関に配布された問題で、「告発者捜し」をした対応に問題があったなどとして、県議会から全会一致で不信任決議を可決されたからだ。17日間の選挙戦では、斎藤氏による初動対応の是非や知事の資質、在職3年間の県政に対する評価などが主な争点となる。(添田樹紀)

主な候補者の訴え

 候補者らは31日午前、いずれも神戸市中央区で第一声を上げた。主な候補者の訴えは次の通り。

 清水氏は午前9時10分すぎ、事務所前で第一声。約70人を前に「混乱し、断裂した県政を立て直したいという思いで立候補した。人口減少や経済対策、観光問題などに取り組む。輝く兵庫を取り戻すために17日間、走りぬけて参ります」とあいさつした。その後、支援者らと握手を交わし、選挙カーに乗り込んで出発した。

 稲村氏は、県庁前で第一声を上げた。斎藤前知事の内部告発文書問題を念頭に、「いま兵庫県がかつてない混乱と危機の中にある」。職員が働きやすい環境づくりやハラスメント防止条例の制定、子育て支援などを掲げ、「誰が知事になっても一緒ではない。みんなの力を最大化できるリーダーを選んでほしい」と述べた。

 斎藤氏は午前9時半、区内の広場で約300人を前に、県立大の授業料無償化など知事としての実績を強調した。文書問題については、「ご心配をおかけして申し訳ありません」と謝罪しつつ、「いろんな政党、政治家から『斎藤にさせるわけにはいかない』という強い声があるが、絶対に負けるわけにはいかない」と訴えた。

 大沢氏は、JR元町駅前で第一声。「反対意見の中にこそ、組織が発展する芽がある。県民にとって何が必要かを考え自由に話し合える組織づくりが求められている」と文書問題について言及。18歳までの医療費と小中学校の給食費の無償化、県職員の一定割合を女性にあてるクオータ制の導入など実現したい施策を挙げた。

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