16日の外国為替市場で円相場は円高ドル安が進み、一時1ドル=139円台をつけた。昨年7月28日以来、およそ1年2カ月ぶりの円高水準となる。米国が大幅な利下げに踏み切るとの観測が広がり、日米の金利差が縮まるとの思惑から、円を買ってドルを売る動きが強まった。
対ドル円相場は今年7月中旬に161円台後半の円安水準をつけた後、円高方向に転じた。約2カ月で20円超も円高に振れたことになる。
米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)が今月17~18日に開く金融政策を決める会合で、従来予想されていた0.25%ではなく、0.50%の大幅な利下げに動くとの見方が市場に広がっている。
一方、国内では日本銀行の幹部から利上げに前向きな発言が相次ぐ。12日には利上げに積極的な「タカ派」として知られる日銀の田村直樹審議委員が講演で、政策金利を「少なくとも1%程度まで引き上げておくことが必要だ」などと述べた。日米の金融政策の違いも背景に、金利の上がりそうな円を買い、下がりそうなドルを売る動きが進んだ。(土居新平)